スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

更新が滞っていましたが、今年もがんばっていきたいと思います。


下記の写真は、昨年とある居酒屋で撮影したものです。

注文したのはねぎとろ巻きですが、ご飯のボリュームがたっぷり過ぎます。

コンビニのおにぎりもびっくりのボリュームで、ねぎとろが端の方に追いやられてしまっている。

食してみると、やっぱりご飯の味。

ねぎとろの味はほとんどいたしませんでした。

でもおもしろいのでクレームとかやりません。

たまにはこういうのもありです。

ねぎとろまき




↓メニューと比べてみるとさらによくわかる違い。

ねぎとろまき



リレー小説『群青の月』 最終回 担当:黒石

 空には薄雲がかかって群青色に光る朧月。しかしその下に広がるのは、なんということはない下北沢の夜だ。酔っ払いでにぎわう週末の下北沢。そこにロマンスの香りはない。純子は確かに劇中の純子とは違っていた。そこには神秘的な美しさなど何もなかった。そこにいたのは束縛の強い彼の浮気に悩むただの少女でしかなかったのだ。しかしそこで気持ちが萎えてしまいそうになる自分を、彼は許せなかった。
 「何事か、何事かを成し遂げなければならないのではないか」その思いが彼の背中を押したのだった。何か企んでいそうな数子の思惑など気にならなかった。ただこのままではだめだという気持ちだけがあった。それ以外のことは何も考えていなかった。彼は彼女を見た。彼女は彼の言葉を聞くと、一瞬目をそらしたが、すぐに見つめ返すと、「行きましょう」と言って笑った。彼女は少し投げやりになっているように見えた。
 「もしあなたと遊びに行くことが彼にバレたら、私はどうなるかわからない。『群青の月』の公演も最後までやり遂げられるかどうか……。そうなったら私の役者人生はもうおしまい。でももう色々と限界かも。何か楽しいところへ行きたいわ。どこに連れて行ってくれるの?」
 彼女の目は吹っ切れて清々しい顔をしていた。その顔は美しかった。その思い切った彼女を見ると、萎えかけていた彼の気持ちは少し高ぶってきた。彼はどこに行こうかと考えた。しかし勢いで誘っただけの彼の頭には、何の計画もなかった。そこで慌てて繕うように、最近行ったことのある場所を思い浮かべて言った。
 「目黒寄生虫博物館」
 彼女は彼を見つめる目をいっそう大きくして、それから顔に皺を作って笑った。
 「何それ。いろいろとツッコミどころあると思うけど、楽しそう。」
 それから彼は目黒寄生虫博物館について純子に色々と語った。純子は楽しそうにその話を聞いてくれた。無邪気な笑みを浮かべて笑う純子は、舞台の上で見た美しい純子ではなかった。そこにいたのは人気女優ではなく、ただの女の子でしかなかった。しかしそれでも彼は、純子に惹かれはじめていた。下北沢駅前の喫煙所で二人話しながら、彼はまた煙草に火をつけた。実は純子もヘビースモーカーだということが分かり、一本分けて二人で吸った。二人の吐く煙草の煙は六月の夜空に絡まりながら立ち上っていく。空には群青の月が浮かんでいる。
 本当は危険な恋に踏み出していることを二人は感じている。この恋が明るみに出たときには、純子はもちろん、彼もまた修羅場に巻き込まれてしまうだろう。しかし、二人は今、先のことなど考えようとは思わなかった。もっといろんなことを二人で話したかったのだ。話しながら彼はふと空を見た。
 二人が、くゆらせた煙草の紫煙が群青の月にまとわりついていた。

高山文彦『エレクトラ―中上健次の生涯―』(文春文庫)


エレクトラ―中上健次の生涯 (文春文庫)エレクトラ―中上健次の生涯 (文春文庫)
(2010/08/04)
高山 文彦

商品詳細を見る


中上健次の人生を取材した伝記。

特に小説家として有名になる前の青年期の記述が詳しくて、非常におもしろく読んだ。

人生の全てを賭けて書いた「エレクトラ」を没にされてからの粘り強さに感動。

小説家になるべくして生まれてきた人だということを実感した。

編集者とのやりとりなど、作品の背景にある出来事が詳しく書かれているので、

中上健次の作品が好きな人はもちろん、

知らない人でもおもしろく読める本だと思った。

リレー小説『群青の月』 第十五回 担当:長谷部

 彼と純子は、しばらくの間、何も言わず歩いた。ときおり彼が振り向くと、純子は顔をうつむかせたまま、彼の後ろをついてきている。彼は歩きながら、月を見ていた。そして舞台での純子を思い出した。狂気に堕ちた少女を演じた純子は、とても美しかった。だが、いま彼のやや後方を歩き、健とのことを思いふさぎこんでいる純子からは、その美しさを感じることができなかった。彼には、純子がただの少女に思えた。彼は重いため息をはいた。とたんに、それまで摂取したアルコールが彼の意識におそいかかり、そのまま地面に倒れこみそうになった。彼は足に力を入れ、ふみとどまった。意識が回復するまで、彼は純子に背を向け、立ち尽くした。純子は彼の背後で何も言わず、足を止めていた。
 体が少しらくになったところで、彼は純子の方を向き「タバコを吸ってもいいですか?」とたずねた。純子は少し顔をあげ、黙ったままうなずいた。「ありがとう」といい、彼はジャケットのポケットからタバコを取り出して火をつけた。
 このまま軽い挨拶をすませて、別れてしまおうかな、と彼はぼんやり考えた。だが、それでは何のために、勇気を出して純子のところへ声をかけに言ったのか、それに、純子が自分の思っていたような女性ではなく、弱いところも悩んでいるところもあるただの「人間」というだけで、切り捨ててしまっていいのか、そんな自分が許せるのか、……彼は自分に問い詰めていた。
 やがて、彼は短くなったタバコを地面に投げ捨て、純子のところに歩み寄った。
「純子さん」
 純子は顔をあげ、彼の目を見つめた。「はい」
「今度の休み、どこか一緒にいきませんか」

中上健次『紀州 木の国・根の国物語』(角川文庫)


紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)
(2009/01/24)
中上 健次

商品詳細を見る


 本書は、作家の中上健次が、郷里の紀伊半島を六ヶ月にわたり旅し、その旅の記録を記したルポルタージュ。
出身地の新宮から旅を始め、天満、古座、紀伊大島と海岸沿いを大阪方面に旅をしていく。
和歌山県だけではなく、東は三重県の伊勢から、北は大阪の天王寺まで旅し、その土地の歴史、そこに住む人々から聞いた話、それに対する筆者の思索が旅の経過にそって記述されている。

 出身が中上氏と同じ和歌山県である私からすると、紀伊半島の位置づけとして確かにうなづける部分が多かった。交通の中心は海と山の間を走る国道四十二号線中心で、大阪に出るには海と山の間をずんずん進んでいくしかない。今は高速道路ができ、随分と交通が便利になったものの、基本的なところはあまりかわっていないように思う。和歌山で道といえば、海と山の間を進むか、山と山の間を進むかの二通りに道しかない。その山と海の間に挟まれるようにある猫の額ほどの平野に町が点在している。地元紀州を懐かしく思いながら、郷里について考えさせられた一冊である。

映画紹介

モールス
プロフィール

黒石法師

Author:黒石法師
零円出版編集長
1985年生まれ。

フォローミー
零円出版ツイッター
零円出版からの情報をリアルタイムで伝えます。
『零円』バックナンバー
零円2号 中綴じ仕様.pdf001名前消し
『零円』2号
発行:2010年3月25日

零円3号完成 改訂版1.pdf001
『零円』3号
発行:2010年10月20日

零円4号 hyousi.pdf001
『零円』4号
発行:2011年3月25日

零円5号 表紙 0001
『零円』5号
発行:2011年11月3日

零円6号 表紙0001
『零円』6号
発行:2012年5月6日

零円7号 表紙0001
『零円』7号
発行:2012年11月18日

古典常識一問一答〔人物編〕
入試でよく問われる文学史上の人物を中心に70名を取り上げ、5択のクイズ問題にしました。
零円出版の本
syousetu_20121119215608.jpg
『砂時計』(小説集)
発行:2011年6月10日
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ランキング

FC2Blog Ranking

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
8224位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
1144位
アクセスランキングを見る>>
ただいまの訪問者数
android
検索フォーム
RSSリンクの表示
各雑誌HPへのリンク
リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

零円資金稼ぎ企画「競馬で一発当てたろう!」参考資料『JRA出馬表』
JRA 全レース出馬表のブログパーツです。 開催日には単勝オッズも更新しますし、レース確定後には着順に並び変わりますのでレース結果の確認できます。
おすすめ図書
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。