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志村史夫『環境問題の基本のキホン―物質とエネルギー―』(ちくまプリマー新書)


環境問題の基本のキホン―物質とエネルギー (ちくまプリマー新書)環境問題の基本のキホン―物質とエネルギー (ちくまプリマー新書)
(2009/03)
志村 史夫

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文学畑に育まれたので理系の話題はちょっと。

でも理科が苦手な人にもわかりやすく、環境問題の基本を解説してくれている。

「二酸化炭素は地球温暖化に全く関係がない」と断言しているあたり、

専門家ならではの説得力というかなんというか。

国もメディアも広告もCO2削減を主張しているが、

それは地球温暖化を防ぐためというよりは、

国内で手に入らない石油燃料にあまり依存したくないだけなのだろうかと、

そんな気持ちにさせられる。


一方で原子力に対する誤解を説いて、原子力発電を推進しようという論調になっているが、

福島第一原発の事故を体験した後の日本では、少し時代遅れになってしまった感はある。

しかし、メディアの言説にとらわれることなく、物事の本質を見極めようとする姿勢は、

科学のおもしろさを教えてくれる気がする。

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高山文彦『エレクトラ―中上健次の生涯―』(文春文庫)


エレクトラ―中上健次の生涯 (文春文庫)エレクトラ―中上健次の生涯 (文春文庫)
(2010/08/04)
高山 文彦

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中上健次の人生を取材した伝記。

特に小説家として有名になる前の青年期の記述が詳しくて、非常におもしろく読んだ。

人生の全てを賭けて書いた「エレクトラ」を没にされてからの粘り強さに感動。

小説家になるべくして生まれてきた人だということを実感した。

編集者とのやりとりなど、作品の背景にある出来事が詳しく書かれているので、

中上健次の作品が好きな人はもちろん、

知らない人でもおもしろく読める本だと思った。

中上健次『紀州 木の国・根の国物語』(角川文庫)


紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)
(2009/01/24)
中上 健次

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 本書は、作家の中上健次が、郷里の紀伊半島を六ヶ月にわたり旅し、その旅の記録を記したルポルタージュ。
出身地の新宮から旅を始め、天満、古座、紀伊大島と海岸沿いを大阪方面に旅をしていく。
和歌山県だけではなく、東は三重県の伊勢から、北は大阪の天王寺まで旅し、その土地の歴史、そこに住む人々から聞いた話、それに対する筆者の思索が旅の経過にそって記述されている。

 出身が中上氏と同じ和歌山県である私からすると、紀伊半島の位置づけとして確かにうなづける部分が多かった。交通の中心は海と山の間を走る国道四十二号線中心で、大阪に出るには海と山の間をずんずん進んでいくしかない。今は高速道路ができ、随分と交通が便利になったものの、基本的なところはあまりかわっていないように思う。和歌山で道といえば、海と山の間を進むか、山と山の間を進むかの二通りに道しかない。その山と海の間に挟まれるようにある猫の額ほどの平野に町が点在している。地元紀州を懐かしく思いながら、郷里について考えさせられた一冊である。

井上ひさし『日本語教室』(新潮文庫)


日本語教室 (新潮新書)日本語教室 (新潮新書)
(2011/03)
井上 ひさし

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 本書は井上ひさしが母校の上智大学で行った「日本語講座」をまとめたものある。講座は2001年10月から毎月1回ずつ、全4回にわたっておこなわれた。現在の日本語についての筆者の考え方が示されている一方で、9.11テロと、その報復としてのアフガニスタン戦争という当時の世相を色濃く残している。
 例えば第二回の講座では、テロ対策特別措置法の成立とアフガニスタンへの自衛隊派遣について井上氏の辛辣な批判が記されている。


今日(二〇〇一年十一月三十日)、アメリカの言う「戦争」に協力して自衛隊を派遣することになりましたね。ついに戦後このかた、軍事行動で一人も外国人を殺さず、同胞を死なせずという、立派な顔を持った日本が変わりましたね。自衛隊が出ていって、誰か一人撃ってしまえば、それから誰か一人撃たれてしまえば、五十五年間かかって築き上げた日本の、軍事行動で人は殺さない、殺されないという理念が壊れるわけですね。今日は日本が変わった日です。


 日本がアフガニスタンへの自衛隊派遣に踏み切った背景には、1990年の湾岸戦争におけるショックに対する反省もあるだろう。湾岸戦争において日本は、憲法九条に基づき、人的な派遣は行わず、周辺国への130億ドルに及ぶ多額の援助をした。それにもかかわらず、戦後、国際社会から感謝されなかったという問題である。憲法九条を理由に人的な派遣をしないで、経済的な支援という方法をとってきた日本にとってこれは大きな事件であった。湾岸戦争によって日本は、国際社会への支援のあり方を根本的に考えなければならなくなったといえる。そしてアフガニスタン戦争では、自衛隊を派遣するという方法に踏み切ったのである。もちろん、国際社会の危機に対して日本だけがなにも知らぬふりをしてやり過ごすことはできない。日本だけが何の代償も払わずに平和を享受するなという批判にさらされることにもなるだろう。
 しかし、これについても井上氏は、自国の国民を危機にさらすことなく、他国において行われている戦争の解決のために貢献していく手段があることを示している。第二次世界大戦におけるスペインやスイスの役割に言及することで、人的な派遣に頼らない国際平和への支援のあり方もあるという可能性を提示するのである。これは、経済的な支援が認められないなら人的支援に踏み切るしかないという政府の短絡的な判断に対する批判であろう。もっとも、それはある意味では理想的な対応であり、現実にはさまざまな壁があるに違いない。しかしながら、国際社会の危機に対して、平和的な解決のために考えうるあらゆる方法を模索していく姿勢は、言論のあるべき姿を示しているように思う。
 井上氏は、一貫して平和主義的な立場から世相を批判している。しかし、その批判が説得力を持つのは膨大な資料と向き合い、ひたむきに日本語について、戦後日本について考え続けてきたからであろう。例えば、アメリカについても、アメリカという国の素晴らしい面と、悪い面の双方から洞察されている。物事を多面的に見ていくことは当たり前のことであるようであるが、テロの直後の浮き足立った世相の中でこれほど客観的に発言をしていくことはなかなか難しいことなのではないだろうか。

中上健次『十九歳の地図』


十九歳の地図 (河出文庫 102B)十九歳の地図 (河出文庫 102B)
(1981/06)
中上 健次

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中上健次の初期の四作品を所収した短編集。

「一番はじめの出来事」は、小学五年生の僕が友達と「子供だけの秘密」を作る話。

「僕」は父を戦後すぐに失っており、母とその再婚相手、そして姉と三人で暮らしている。

兄もいるが一緒には暮らしていない。

兄は酒癖が悪く、手がつけられなくなる。

最後に兄は自殺してしまう。

僕は何がなんだかわからなくなる。

そしてあったりまえに輪三郎はぼうぼう燃える。



「十九歳の地図」は、予備校生であるが大学進学は諦めている新聞配達の青年が、地図を作る話。

地図には、自分が気に入らない家に×印が付けてあり、

爆弾で吹き飛ばす妄想をしている。

爆弾の妄想というところで梶井基次郎の『檸檬』を彷彿させる。

屈折して歪んだ負のエネルギーに溢れている。

かさぶただらけのマリアさま。



「蝸牛」はバーで働く光子の「ひも」である男が、光子の兄を殺しに行き失敗する話。

「補陀落」は、前半の読みにくさったらない。



映画紹介

モールス
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黒石法師

Author:黒石法師
零円出版編集長
1985年生まれ。

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古典常識一問一答〔人物編〕
入試でよく問われる文学史上の人物を中心に70名を取り上げ、5択のクイズ問題にしました。
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『砂時計』(小説集)
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